CROSSTALK.01
高度な養豚システムを
世界へ。
新たなビジネス
チャンスを
つかめ!
PROLOGUE.
日本の人口は減少が続き、これまでのような国内豚肉市場の拡大は見込めない状況です。でも海外の市場に目を向ければ、人口が増加し、豚肉の消費量が上がり続けている国々があります。そうした養豚を取り巻く環境とビジネスの一歩先を見据え、セキネは世界マーケットへのチャレンジをスタートしました。セキネの新たな未来を創造する海外事業プロジェクトで中心となって計画を進める篠﨑社長と井田建設課長に話を聞きました。
CROSSTALK PROFILE対談プロフィール
代表取締役
篠﨑 壮登(2014年入社)
リース会社勤務を経て、妻の祖父が創業したセキネに入社。3代目社長に就任する。養豚や畜産経営について一から学び、社員と共に業界の発展とセキネの成長に力を注ぐ毎日。
プラント部建設課
井田 智勝(1993年入社)
建築設計部門で30年以上。プランニングから設計図、積算、施工図、現場監督まで豚舎建設の全知識を蓄積。1級建築施工管理技士として日本全国のお客様の要望に応えている。
海外で求められる
セキネの専門技術
海外進出は、マレーシアの会社から声をかけていただいたのがきっかけ。「日本の技術で養豚をやりたい」とのことで日本の大手商社を通じて話をいただきました。数ある同業の中でも、バイオマス発電を取り入れた養豚システムを持つのはセキネだけだったそうで。
世界でSDGsが進む中、環境保全の取り組みは事業活動で必須になっていますからね。セキネには、養豚で出る糞尿を適正に処理するシステムもあります。これも今の養豚業者に求められる環境に優しい商品です。
そうだね。糞尿分離システムは、セキネが日本で最初に開発したシステム。日本の養豚設備メーカーでは最も優れた技術を持っていると思います。
はい。1号機の開発から50年以上経ちますから蓄積してきたノウハウは膨大。他社にはマネできない技術だと思います。セキネの商品は他に比べて少し高いかもしれませんが、入れ替え時もお客様に選んでいただいています。「やっぱりセキネ」と言われますね。
日本の養豚システムをけん引してきた専門技術があるから、自信を持って海外のマーケットにチャレンジできる。そう思っています。
本当にそう。メーカーとして独自の技術と商品があるからこそ、海外進出も可能になるんですね。
COLUMN!
バイオガス発電とは
再生可能な生物資源を
燃料に発電
バイオガス発電は、豚の糞尿や食品残さなど、生物由来の資源を発酵させることで発生するメタンガスを燃料に発電するシステムです。メタンガスを取り出した後の残さは液肥として農地に還元され、循環型農業を実現します。セキネはこのシステムを活用し、地域の廃棄物を減らすだけでなく、新しいエネルギーとして環境保護に役立てることで、持続可能な社会に貢献しています。
マレーシアを足掛かりに
東南アジア全域へ
現在進行しているマレーシアの事業はまだ始まったばかり。完成すれば5000頭規模の農場になります。
相当大きな規模・構造になりそうですね。現地へ行って気候や土地の条件など調査していますが、国の法律をクリアする必要もあり、セキネにとってハードルが高い事業になると思っています。
気候だけでなく、国民性にも配慮した豚舎をつくらなければいけない。
そうですね。私たちが携わるのは工業系のモノづくりではなく、生き物をつくる仕事。生き物を一定品質に育て上げるのは本当に難しいことです。相手国の文化を理解し、養豚に対する考え方の違いをいかにすり合わせるかも大切になってくるわけです。
そうした課題をクリアできれば、技術的な問題はないと思う。セキネには、日本の夏の暑さ、冬の寒さなど飼育環境の変化に対応してきた強みがあります。マレーシアの気温は1年を通して30度ぐらい。気候面ではやりやすいかもしれません。
方向性を間違えずに道筋をつくれば、あとは日本国内での仕事と同じことをやっていけばいいと考えています。まだまだこれからですが、まずは実績をつくることが大事。成功すれば、マレーシア事業が足掛かりとなって東南アジア全域への進出が視野に入ってきます。
日本の畜産技術を広め、
世界に貢献
日本は少子高齢社会となり、人口は減少の一途をたどっています。消費人口が減るわけですから豚肉市場も頭打ちになるでしょう。ビジネスの10年先を見据えて手を打つ必要があるんです。
これから先、国内の市場に頼っているだけではビジネスの拡大、セキネの成長は見込めないわけですね。
そう。でも視野を広げて海外に目をやれば、人口がまだまだ増え続けている国も多い。特に東南アジアと南米。若年層も厚く、食品の需要が上がっている地域です。
今回のマレーシアでも豚肉の需要に供給が追い付いていないみたいですね。そこにセキネのビジネスチャンスがあるわけです。「日本の豚肉は美味しい」と評価されていることも追い風になります。
日本の発達した畜産技術を世界で広めることによって、食糧事情が悪い発展途上国の自給率を向上させたいという想いもあるんです。
そうですね。セキネは、国民の食を支えることで社会に貢献している会社。世界のマーケットで活躍すれば世界的な貢献になると思います。そんな大きな夢を社員みんなで共有しながら、海外事業のノウハウを蓄積していきたいと思っています。
夢と誇りを持って新たなチャレンジを重ね、セキネの未来を一緒に創っていきましょう!